自己紹介57 C.私がメソッドを誕生させるまで 2・「生徒さんや保護者様の手紙」

 

自己紹介57

C.私がメソッドを誕生させるまで

2・「生徒さんや保護者様の手紙」 

 

はじめに

この動画では生徒さんや保護者様に贈って頂いた愛について説明しています。
*ご本人に掲載の許可を頂いた上で、個人情報が分からないように、年齢や性別、詳細は原文を変えさせて頂いています。 

【生徒さんや保護者さまからのラブレター】

 まずはアトリエ20周年おめでとうございます。

3歳からお世話になっている私も 成人して大学生。

気づいたらとても長い時間をアトリエと先生と過ごしているんだなぁと、

時の流れを感じます。

つい最近まで中高校生で自転車をこいで毎週通っていたはずなのに…

 

 アトリエでは多くのことを学びました。

もちろん絵画の技術や知識、工作の楽しさは学びました。

ただそれだけではなく、アトリエはいろんな学年の生徒が一つの時間を共有するので、

年齢の違う子ども達が関わることでこそ 学べることも多かったと思います。

 

  例えば食いしん坊の私が、

毎週楽しみにしていたと言っても過言ではないおやつの時間。

小さい頃のことはよく覚えていないけれど、

年上の人がみんなでおやつを取り分けられるように計らってくれていました。

成長したらいつのまにか自分がその役に。

そして私が卒業してからは新しく誰かがその役をしてくれていたと思います。

いつのまにか上の世代がやっていたことが下の世代に 受け継がれていて、

自分が憧れていた先輩生徒を見ていたように、

自分もそうやって誰かに見てもらえていたら嬉しいなと思います。

 

 また家では天邪鬼で親に学校の出来事も良く話さず、

反抗してばかりの私でしたが、

アトリエに来ると多少の反抗期はあったものの、

アトリエでは悩みや愚痴を先生や仲間にたくさん聞いてもらいました。

先生に「アトリエのお局様」なんて言われて年長者ぶってみたり、

しっかり者発言もしたけれど、

実は学校や家では別のキャラクターの自分とのギャップを感じたこともありました。

でもそれは、先生の人柄とそれによって作られた雰囲気に引き出された、

私の姿の一つだったのだと成長して気づきました。

 

 誰よりも心は少年でありたいと願う私も、

いつのまにか成人して社会的には子どもでいられない時期を迎えました。

そんな年齢だけは大人になってしまった私が、

いつまでも生徒で子どもでいるのが許される、

数少ない場所がアトリエなんだなあと思います。

 

 物心付いた頃には気づいたら通っていて、他のどんな習い事を辞めてしまっても、

高3の受験ギリギリまでアトリエを卒業しなかったのは、

それだけここが居心地がいい、

私の大切な場所になっていたからだと思います。

 

  浅学ではありますが、大学で心理学を専攻していて思うのが、

心を閉ざしてしまう子どもには、

自分のことを無条件に肯定してくれる場所がないケースが多いということです。

アトリエでは先生は行いが良くなければ注意します。

周りのみんなの迷惑になるからです。

でも生徒のことを否定しません。

みんなの個性を認めてくれます。

それがとても大事で、私を初め多くの生徒の居場所になったのだと思います。

その証拠に卒業してからも OB と先生の関わりが途絶えることはありません。

居場所に出会えない子どもも多い中で、

人生の中でかけがえのない居場所に、

アトリエと先生に出会えた私はとても幸せだなぁと思います。

 

 最後に、他の OB の方々のように素敵なラブレターを書くぞと意気込んでいたのですが、

だらだらとまとまりのない、ラブレターなのか??と言う長いものになってしまいました。

私がアトリエと先生とそこで出会った人達が大好きで、

そのすべてのおかげでここまで成長できたことに感謝しています。

このことが伝われば幸いです。

 

これからも何かあればアトリエに呼んでください。

何もなくても遊んでまた愚痴を聞いてください。

これからまた20年、その先もずっとよろしくお願いします。

 

                         21歳  Oより

 

【私からの返信】

 

去年成人式を迎えたO様、おめでとうございます。

夏休みには素敵な着物姿の写真を見せてくれてありがとう。

 3歳から通い始めたあなたは、来た時から明るい瞳をして、

正しい日本語で、よくお話をする好奇心いっぱいの女の子でした。

「どうしてアトリエの名前はこれにしたんですか?」と笑顔で話しかけてきてくれたり、

ピンクのエプロンをして、とことこ近寄ってきて膝に乗ったり。

あの頃から18年?本当に昨日のことのようです。

 

 小学生の頃のあなたは、この子って本当に頭が良い!と、

いつも唸らされる子でした。言うことも言うしやることもやる。

いつでも元気で前向きで…

そして中学2年生頃までシャカリキに勉強を頑張っていたO様

勉強することの大切さや素晴らしさを下級生に語ってくれたり、

宿題をしていてわからない子に気軽に教えてくれたり。

思春期と受験期が重なって悩んでいるあなたを見て、

O様も人の子なんだなーって不思議に思うくらい、

あなたはずっと無敵の女の子でした。

まあ今でも、無敵であることに変わりはないのですが^^

 

 中学生後半から高校生にかけて、

ゲームやアニメの時間が増えるにつれ、作品もオタク系になって言ったよね。

高校生の頃には「にわかは許せない」などと口走る立派なおタクになり、

そんなO様や同じクラスの子が言っていることが面白くて、

秋葉原にオタクツアーも敢行し、

すでに大学生でオタクになっている OB にガイドをお願いしたり、

ニコニコ本社を訪ねたりも良い思い出です。

 

 O様の面白いところは、

どんなにおタクに走っていても自分だけの世界に埋没して自己中にならないところ。

人に興味があるのも、人とコミュニケーションをとるのが好きなのも、

他人に対して優しいのも、自分を客観的に見ているところもずっと変わらない。

 

 あなたは長い時間水曜日のお局様として、

アトリエでの過ごし方をいろんな子たちに教えてくれていたよね。

よく気が付くあなたは、私のミスをフォローしたり、

みんなが落ち着けるように気を配ってくれました。

とっても嬉しかったんだよ。

 頭の良いあなたは、私の手持ちのカードなどとっくに見透かしてしまっていて、

それでもずっと面倒を見て笑顔で傍にいてくれて、

「ああ言えばこう言う、それは分かってるけど、でもこうだから。」みたいな、

頭脳戦の会話が楽しかったです。

 

 夏休みに帰省した時、私の骨折の話を聞いて心配してくれて、

帰り際に私がひょいっと机を跨ごうとしたら、

「大丈夫ですか?」と慌てて手を差し出してくれて、

ああ本当に私は歳をとり、あなたは大人になったんだなと感じたよ。 

 

 寒い冬の夜、 高校生が自転車を漕いで帰るのが心配で、

度々車で後ろからついていったね。

遠くの高校まで通っていて帰りも遅いのに、

水曜日は駅から自転車で家に帰って、パソコンを持ってアトリエに。

日によっては1時間も活動できないのに、

 何とか頑張って自力でアトリエまで通ってくれるあなたの背中を、

車のライトにちらつく雪と一緒に見ながら運転していたのを思い出します。

 

 あなたのような素敵な子がずっとアトリエにいてくれて、

アトリエを作ってくれ私もまた生かされていたんだなと感謝しています。

  明日が大学の入学式という日に大学のある街で会った時のあなたは、

すっかりおしゃれをして女子大生をしようとしていた。

そんなあなたを愛らしく思ったし、

去年の夏は女らしく美しくなっていてびっくりした。

大学生活の楽しさを写メを交えて語るあなたを嬉しく見て、

そして今年の夏はまた精神的に一つ大人になったね。

 

大学で心理学を専攻しているO様。

人との触れ合いも様々な体験も全てあなたの糧になるでしょう。

楽しんでいろんな経験を重ねていってほしいなと思います。

 

 そういえばこの手紙も、「去年展覧会の挨拶文を書いてもらったばっかりなのにごめん!

30周年はないから今回だけお願い」と言ったら、

「いいですよ〜」と言いながら下書きなしの1時間ほどで、

雑談を交えながら直接本番の用紙にばばばって一気に書き上げ、

改めて基礎力の高さに驚かされました。

普通は文章を入れ替えたり考えたり時間がかかって大変なものなんだよ^^;

 

 去年アトリエ展に駆けつけてくれたのも、

友人がホームページを立ち上げる時にロゴを依頼したら、

忙しい中素敵な作品をオリジナルで作ってくれてとても嬉しかったです。

ありがとうね。

 これからもずっと仲良くしてね。また東京でも遊ぼうね。

アトリエに顔を出してくれるのも待っています。

 

ずっとずっと大切に思っています。大好きなあなたへ。

感謝と愛を込めて…

 

                                 樹より

自己紹介58に続きます。

最後までご視聴頂きありがとうございました!

イラストair

ナレーション小鳥遊樹でお送りしました。

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