生徒さんから主宰者へ、主宰者から生徒さんへ、保護者様から主宰者へ、主宰者から保護者様へ、OBから後輩へ、展覧会でのお祝いの言葉
保護者様からお子さんへ、お子さんからご両親へ、娘から主宰者へ、主宰者から娘へ
様々な手紙のやり取りから、心の交流や人としての成長をお読み頂けたら幸せです。

【娘から主宰者へ・2015】

お母さんへ

 

私が生まれてすぐ、アトリエをひらいたお母さん。

多忙な中、私を育てる過程で大変なこと、

思い通りにならないことがきっと沢山あったんじゃないかと思います。

 

育児、家事、お仕事、社会とのこと・・・。

それでも嫌な顔一つせず愛情をもって育ててくれたこと、心から感謝しているよ。

 

もし私がいつか子どもを産んで育てることになったら、

お母さんがしたように私も自分の子どもに接したい、そう思っている。

 

だからこの手紙は、私からお母さんへの感謝のメッセージであると同時に、

現在の私から未来の私へのメッセージにしたいと思います。

 

まだ記憶が鮮明なうちに、思い出せるうちに書き残しておきたい。お母さんが私にどう接し、なんと言葉をかけ続けて育ててきてくれたのか。

 

その言葉や考え方を、いつか私が壁にぶつかった時のためのお守りにするために。そして私の子供をはじめとして、子育てや教育に悩む人に伝えるために。

それでは始めます。

 

*外出中*
・人前では自分の子どもを絶対に怒鳴らない
・人前では自分の子どものダメなところを指摘しない
・知り合いに偶然会った時は、自分の子どもの良いところを褒める
・文化資本を与える重要性を知り丁寧に育てる
・図書館の楽しみを教える・本屋さんでは意志を尊重
・自然と戯れる時間を作ってあげる
・公園、湖、近くの森林などに出かけ、子どもと一緒に体を動かす

 

*普段の生活*
・外出中、礼儀や挨拶がなってなければ家に帰ってきちんと叱る
・育児に関して「面倒くさい」「うるさい」など愚痴を言わない
・「今日は何か楽しいことあった?」と聞いて、子どもに話をさせる
・悲しい辛い、と子どもが言ったら必ず共感してあげる
・子どもの考えを否定しない
・良いところは見つけて必ず褒める
・成長の記録を細かく残してあげる ex.アルバム、写真、日記、作品

 

 

*教養(勉強・習い事等)について*
・子どもがやりたいといった習い事はなんでもやらせてあげる
・子どもが「悔しい」「できるようになりたい」と言ったら、とことんできるまで一緒に付き合う
・教養に関係する出費は惜しまない
・費用や出費がかさんでも「お金かかるんだよ」などと言って子どもをなじらない
・失敗したり成果がでなくても叱ったり怒ったりしない
・常に長期的な視点をもって、短期的に何かを結実させようとしない
・目上の人や先生に対しての礼儀を厳しくしつける
・何ごとに対しても謙虚な心を育てる
・自分(親)以外の大人に沢山触れさせ、価値観を共有させる

 

 

*学校について*
・学校に行くか行かないかは子どもに任せる(※義務教育とは子どもの義務ではない)
・子どもが友達を家に呼んだ時には、お友達によくしてあげる
・担任の先生や学校の先生の立場に立ってものを考えるようにさとす
・「自分からしない勉強は意味がないんだよ」と常々言う
・↑のように勉強の自発性を大切にする分、勉強の面白さも教えてあげる(親が好きでないことは、子どもも好きにならない)
・学校行事の際はできる範囲で精一杯助けてあげる
• 子ども同士を比較しない

 

 

*総合的に*
・子どもの感じること、発する言葉を、自分のことのように一緒に考え感じること
・物事を多角的に考えることのできるよう、単一の価値観を植え付けない
・自分(親)自身が、日々子どもと一緒に成長しよう、という向上心を持つ
・社会、地域との関わりを大切にする
・子どもに好きな人ができたら応援する

以上

大切なところは網羅できたかな?
沢山ありすぎて全てを書き尽くすことはできないな、と思ったよ。

もし上記の他にも大切にしていたことがあれば教えてね。

そしてもし私に子どもが生まれて、

子育てに悩んでいたらアドバイスちょうだいね!

例え私が子供を産まなかったとしても、

社会の一員として、世の中にいる子供たちに

お母さんがしてくれたように関わっていきたいと思っています。

 

ずっとずっと大切に思っています。

大好きなお母さんへ。

 

【主宰者から娘へ・2019】

あなたへ

 

電車を待つ束の間のお茶を、
貴女がマクドナルドでご馳走してくれました。
アップルパイが好きなのは、昔も今も変わらないのね。

 

「初めてのマクドナルドで、

メニューのボードを見ながら、自分で選んだ時に、
レストランしか知らなかったから、
ファーストフードは画期的な感じがした。」

そんな思い出話をしてくれました。

 

へぇ、なるほどねぇ。
園児の頃におもちゃが欲しくてよくきたなぁ…。

おもちゃにワクワクしたのは私かも…。
あれから20年以上が経つなんて!

 

「行ってらっしゃい。気をつけてね。楽しんできて。」

「ありがとう!お母さんもね。」

「うん、頑張るね!」

 

そんな会話を交わして、
数年前から巣立ちの準備をしていた貴女は、
より広い世界へと飛び立って行きました。

 

小さな頃から、石橋を叩いて、
出来る限り周囲の期待に応えようとしていた貴女。

 

いつのまにか、誰に打ち明けることもなく、
自分で決意して、調べて、あちこちの国を訪れるようになり、

この数年でさらにたくましくなって、
勇気や希望とともに、

長期滞在の冒険の旅に出かけるのを駅で見送りました。

 

しばらくは会えないし、心配しても仕方がない。

あとは宇宙の采配にお任せするだけ。
どうなろうと自分の運命や使命に従って、
魂の修行にでる貴女にエールを送ります。

 

本音を言ってもらえる人生で良かった。
どんな失敗を何度しようと、挑戦できる人生で良かった。

安定を得ることではなく、
次のステージの扉を自分で開ける力をつけていく。
それが生きている意味だから。

 

最新の支払い方法や、カードシステムを駆使して、

世界を自分の目で見始めた貴女。

世の中を冒険するためにある、
アプリや動画をいくつも紹介してくれたね。

 

ワーキングホリデーに選んだ国が、

ニュージーランドだと聞いたのはフライトの二日前。

「どこに住むの?」

「決めてない。とりあえず行ってくる。」

「そうなんだ。了解です。」

 

たった20時間しか一緒に居なかったけど、
私自身が挑戦すべき、

沢山の課題を示唆して去って行く。

小さな頃から、私に課題を与えるのは変わらない。

子どもは親を成長させるために生まれてくるというけれど、本当だね。

 

最近は半年に一度会えるか会えないかの貴女。
次に会えるのはいつだろう?

 

赤ちゃんとして宇宙から授かり、
18年をともに暮らし、
別々に暮らすようになってさらに10年近く。

ただ宇宙にお返しするだけなんだなぁと思う。

 

貴女が1人で動けるようになるまで、
地球と社会の水先案内人に参加させてくれてありがとう。

 

頼りない親だから、
貴女が自由に羽ばたけるようになるために、
沢山のメンターの手が差し伸べられた。
その事にとても感謝をしています。

貴女の心を育ててくれた、沢山の見えない手に、
大いなる力に心からの感謝を。

そして私は貴女が残したおあがりを、
再会までに着られるようにトレーニングしよう。

私は私で羽ばたくステージの、

スタートラインに立てるのはこれからだから。

 

どんなに離れていても、ずっとずっと大切に思っています。

大好きなあなたへ

 

母より