ひよこの森のアトリエ展 小鳥遊樹の「桜に焦がれて」

ひよこの森のアトリエ展 小鳥遊樹の「桜に焦がれて 」

コロナで失職し、家にこもってから2年目の春
定年退職で戻ってきたお父さん
テレワークで戻ってきた娘
ウォーキングも兼ねて3人でなんども桜並木を歩きました。

大好きな桜にこんなに向き合う時間が取れるのも初めてのこと。
花びらを眺め陽の光に透かし
早朝から日暮れまで、雨の日も日の光の下でも桜は美しく
目も心も楽しませてくれました。

赤みを帯びた固い蕾の頃から、
雪山のように見事な満開の桜、
はらはらと花びらが舞い散り川面を埋め、
柔らかな黄緑色の葉が出てくるまで。
少しずつ姿を変えながらも 魅力は変わりません。

最初は土手に落ちていた一輪を持ち帰り
家でデッサンをしてみたのですが物足りません。
スケッチブックを持って土手に出かけるけれど、
花びらがうまく捉えられないのです。

どうしたものかと思案をしていたら、
山から枝を切ってきたので差し上げますと、
車の中がいっぱいになるほど大きな枝を
2回分に分けて運ぶ量を くださる方がいて、
アトリエでじっくり眺めることができました。

あまりにたくさん頂いたので、
桜の花を描きたい生徒さんにお裾分けに行ったほどでした。
桜の香りに包まれて長い時間見つめることができて、
本当に幸せな時間をいただきました。

さくらをじっくり眺める時間。
その幸せを自分の創造活動に生かす時間。
今まで取れなかった豊かな時間をいただけたことを感謝しています。

あんなにたくさん描いたのに、
満足のいく出来に感じたのは、一枝の先の数輪だけで、
それもまた面白いことだと感じました。

夢を見ているかのように無我夢中で描いていた
春のまどろみのような時間を絵に感じていただけたら幸せです。

最後までご視聴いただきありがとうございました。