自己紹介15 B.私の生い立ち 5・「娘からの手紙」 

 

自己紹介15

B.私の生い立ち

5・「娘からの手紙」 

 

はじめに

この動画では、娘から贈られた手紙について説明しています。

【立ち直るきっかけ】

世の中のネガティブをほとんど経験してきて
自分の人生の希望も夢もなく
あとはもう親の介護をして終わる人生だと思っていた私は、
いつの間にか自分を愛する事をやめていました。

健康や美容に気を使うこともなくなり
様々な依存の海で溺れていました。
高血圧やストレスで激しい頭痛の度に吐くようになりました。
それでもとりあえず放っておいたのです。
内心このまま消えられるかしら?を期待して。

そんな状態に光が差してきたのは、
娘やアトリエの生徒さんや保護者様から贈られた愛でした。

 

自分が育てられたように支配的に娘を育てたのは最初の十二年です。
あとの十六年は、アトリエの賢母達の真似をして、
人間として信頼を得られるように努力をしてきました。

 

中学一年の春休みのことです。
塾に通っているにも関わらず、成績が下がっていく娘に、
今までは、「どうして出来ないの?」「なぜこんな簡単なことが理解できないの?」とただ責めていたものを、
「あのね、お願いがあるんだけど、絶対怒らないから勉強を見させて貰えないかな?もし、怒ったりバカにしたり呆れたりしたら、すぐにやめてもらっていいから。」とお願いし、
英語の勉強に伴走してみました。

 

一年生の一ページ目から復習すればすぐに出来るようになるだろうと、
簡単に考えていた私は頭を抱えました。
娘には特殊な個性があって、
右と左の区別がとっさにつかなかったり、
眉毛とまつ毛がすぐに分からなかったりします。

 

エスカレーターとエレベーターとかもすぐには分からないらしいのです。
それが勉強にも障害を与えていて、doll doll dollと単語帳に書いていると、
いつの間にかそれはball ball ballになっていたりします。

どんなに彼女が間違えても、「ごめんね、教え方がいけなかったね。
どうすれば覚えられるかな?」と言いながらゲームを入れたり、
タッチペンでタブレットに書かせてみたり、忍耐強く試行錯誤しました。

 

そのうちに努力家の娘が泣き出すのです。
「みんなが一個の単語を十回書いて覚えられるのなら私は百回書けば覚えるのかな?」と。
春休みの間は毎日そんな風にして一日十時間くらいずつ復習をし、
約一週間で一年生の教科書を一冊終わらせてみました。

新学期になり2年生になった彼女の英語の予習ノートはしばらく私が書いていたのです。
本文を写して読み方を記し訳します。
そんな事を続けていたらコツが掴めたようで、
1学期の期末テストでは成績が上向きになり、
そのうち私の伴走も必要なくなりました。

そんな彼女は高校時代に英検も2級を取得し、
2019年にはワーホリビザで約1年間ニュージーランドに滞在しました。

中学、高校時代は思春期もあり、
私がいろんな依存に荒れていたこともあって微妙な距離感のまま時は過ぎ、
娘が高校を卒業して東京にいくために列車に乗り込んだ朝のことです。


ホームで手を振り車に戻ると娘からメールがきていました。
素っ気ない娘からの初めての長い感謝のメール
読むなり私はハンドルに突っ伏して動けなくなっていました。
今更後悔しても過ぎた日々は戻ってこないことに愕然として。

私の毒親っぷりが酷過ぎて、
いつの間にか娘から笑顔が消えていました。
自分の気持ちを傷つけられまいと必死だったのだと思います。
私はそんなことも理解できずに、
同じようにぶっきらぼうな態度で接していました。

 

そのメールをとっておけば良かったのですが、
私は読み返すのが恐ろしくて、一度しか読めませんでした。
あんなに優しい心ある子に、
どうしてこんなひどい母親でいられたんだろうと。

編入学も含めて5年間の大学生活を終え、
彼女が23歳の時に丁度アトリエの20周年記念があり、
再びこんな手紙をもらいました。

お母さんへ

 

私が生まれてすぐ、アトリエをひらいたお母さん。

多忙な中、私を育てる過程で大変なこと、思い通りにならないことがきっと沢山あったんじゃないかと思います。育児、家事、お仕事、社会とのこと・・・。

 

それでも嫌な顔一つせず愛情をもって育ててくれたこと、心から感謝しているよ。

 

もし私がいつか子どもを産んで育てることになったら、お母さんがしたように私も自分の子どもに接したい、そう思っている。

 

だからこの手紙は、私からお母さんへの感謝のメッセージであると同時に、現在の私から未来の私へのメッセージにしたいと思います。

 

まだ記憶が鮮明なうちに、思い出せるうちに書き残しておきたい。お母さんが私にどう接し、なんと言葉をかけ続けて育ててきてくれたのか。

 

その言葉や考え方を、いつか私が壁にぶつかった時のためのお守りにするために。そして私の子供をはじめとして、子育てや教育に悩む人に伝えるために。

 

それでは始めます。

*外出中*                                    

・人前では自分の子どもを絶対に怒鳴らない

・人前では自分の子どものダメなところを指摘しない

・知り合いに偶然会った時は、自分の子どもの良いところを褒める

・文化資本を与える重要性を知り丁寧に育てる

・図書館の楽しみを教える・本屋さんでは意志を尊重

・自然と戯れる時間を作ってあげる

・公園、湖、近くの森林などに出かけ、子どもと一緒に体を動かす

 

*普段の生活*                                  

・外出中、礼儀や挨拶がなってなければ家に帰ってきちんと叱る

・育児に関して「面倒くさい」「うるさい」など愚痴を言わない

・「今日は何か楽しいことあった?」と聞いて、子どもに話をさせる

・悲しい辛い、と子どもが言ったら必ず共感してあげる

・子どもの考えを否定しない

・良いところは見つけて必ず褒める

・成長の記録を細かく残してあげる ex.アルバム、写真、日記、作品

 

*教養(勉強・習い事等)について*                                 

・子どもがやりたいといった習い事はなんでもやらせてあげる

・子どもが「悔しい」「できるようになりたい」と言ったら、とことんできるまで一緒に付き合う

・教養に関係する出費は惜しまない

・費用や出費がかさんでも「お金かかるんだよ」などと言って子どもをなじらない

・失敗したり成果がでなくても叱ったり怒ったりしない

・常に長期的な視点をもって、短期的に何かを結実させようとしない

・目上の人や先生に対しての礼儀を厳しくしつける

・何ごとに対しても謙虚な心を育てる

・自分(親)以外の大人に沢山触れさせ、価値観を共有させる

 

*学校について*                                  

・学校に行くか行かないかは子どもに任せる(※義務教育とは子どもの義務ではない)

・子どもが友達を家に呼んだ時には、お友達によくしてあげる

・担任の先生や学校の先生の立場に立ってものを考えるようにさとす

・「自分からしない勉強は意味がないんだよ」と常々言う

・↑のように勉強の自発性を大切にする分、勉強の面白さも教えてあげる(親が好きでないことは、子どもも好きにならない)

・学校行事の際はできる範囲で精一杯助けてあげる

  • 子ども同士を比較しない

 

*総合的に*                                  

・子どもの感じること、発する言葉を、自分のことのように一緒に考え感じること

・物事を多角的に考えることのできるよう、単一の価値観を植え付けない

・自分(親)自身が、日々子どもと一緒に成長しよう、という向上心を持つ

・社会、地域との関わりを大切にする

・子どもに好きな人ができたら応援する

以上

大切なところは網羅できたかな?

沢山ありすぎて全てを書き尽くすことはできないな、と思ったよ。

もし上記の他にも大切にしていたことがあれば教えてね。

 

そしてもし私に子どもが生まれて、子育てに悩んでいたらアドバイスちょうだいね! 

例え私が子供を産まなかったとしても、社会の一員として、世の中にいる子供たちにお母さんがしてくれたように関わっていきたいと思っています。

 

ずっとずっと大切に思っています。

大好きなお母さんへ。

 

読んで涙が止まらなくなりました。
必死になって、親子関係を取り戻してきた日々は無駄ではなかったと。
娘からも「本を書いておいてね。何か形にして残っていなければ、
おばあちゃんがどんな人でどんな人生を生きたか、
自分の子どもや孫に話してあげられないから。」とリクエストをもらいました。

 

自己紹介16に続きます。

最後までご視聴頂きありがとうございました!

イラストair

ナレーション小鳥遊樹でお送りしました。

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